大判例

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東京地方裁判所 昭和34年(ワ)5280号 判決

以下は、判例タイムズに掲載された記事をそのまま収録しています。オリジナルの判決文ではありません。

〔事実と判断〕原告は被告ら問の本件土地建物の贈与行為は詐害行為であるとして民法第四二四条により被告羽田運雄から被告江森寿恵子にたいする本件土地建物の贈与をとりけし、被告江森にたいし贈与による所有権移転登記の抹消を求めた。

被告らは贈与の事実を認めたが、詐害の意思を否認し、仮定抗弁として仮に被告江森が受益の当時民法第四二四条に所謂悪意であつたとしても、本件贈与は離婚に伴う財産分与に基くものであり、民法第七六八条第三項の趣旨に反しないものであるから、詐害行為としてこれを取消すことはできないとして、下級審民事判決集七巻一〇号二八九一頁所載の東京地方裁判所の判決を引用して抗弁した。

判決はつぎのとおり説明して被告の抗弁を排斥した。曰く。

「次に被告江森は本件贈与は離婚に伴う財産分与に基くものであるから詐害行為として取消すことができないと主張するが、財産分与は当事者の協議による場合といえども財産を分与すべきかどうか、その額及び方法等は単に積極財産のみに着眼して定すべきでないことは民法第七六八条第三項の規定の趣旨からみて明白であつて分与の結果が同法第四二四条に該当するような場合には分与者が分与の全部又は一部の取消を請求し得ない理由はない。従つて被告江森の右主張また採用の限りでない。」

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